はねたくストーリー

はねたくストーリー

リオ五輪でアジア初銅メダルを獲得し日本国内にカヌースラロームという競技を知らしめた卓也選手。

卓也選手がカヌーと出会ってから今に至るまでの軌跡を、父・邦彦さんに語っていただきました。

カヌーとの出会い。長男に連れられて。

ー卓也選手がカヌースラロームと出会ったのは9歳のとき。カヌーと卓也選手の出会いは、どのような感じだったのでしょうか。

父・邦彦さん
「長男がすでにカヌーを始めていたので、長男に引っ張られるように川へ行っていました。卓也はとにかく寒がりで、冬は本当に辛かったと思います。それでも長男の後ろについて練習に行っていました。兄弟で争わせたくないという私の思いで、長男はカヤック、卓也はカナディアンと、別々の競技をしていましたが、小さい頃から長男の存在は大きかったと思います。」

小学時代の卓也選手

「辛抱強い。でも…」

ー小学生の頃の卓也選手は、邦彦さんの目にどのように映っていましたか?

父・邦彦さん
「平日のうち2日は放課後に夕方から川へ、土日になると朝から夕方まで川へ練習に行くという生活でした。卓也は友達が多い方だったと思うので、友達と遊べないことに寂しいと思うこともあったと思います。それでも、辛抱強く耐えていたと思いますし、今思うと根性があったなぁと思います。ただ…、その辛抱強さから、年に1回ほど爆発する時があって、「いつの話?」という話を持ち出してくることもありました。(笑)」

ーそうなのですね。(笑)

父・邦彦さん「はい。普段はあまり表情に出さないので。3兄弟の中でも、特にそう感じます。辛抱強さも関係してか、周りに合わすこともできる方だと思っていて、適応能力もあると思います。」

ひとつめの転機。

ー卓也選手がカヌーにもっと力を注ぎたいと本格的に感じ始めたのはいつ頃でしょうか?

父・邦彦さん
「それまでもカヌー中心の生活でしたが、中学校3年生のときのジュニア世界選手権で予選敗退したことが大きな転機だったのではないでしょうか。進路ではカヌーの部活がある高校へ進みました。高校時代ではさらにカヌーカヌーの毎日で、学校に行く前に川で練習、学校での休憩時間には筋トレ、放課後はまた川で練習し、夜10時に帰宅。特に高校時代は、とりつかれたように筋トレに励んでいましたね。」

そして世界へ。

遠征先チェコからの電話と手紙。

ー卓也選手が世界を視野に入れ始めたのは、海外遠征が大きく影響していると思いますが…。

父・邦彦さん
「そうですね。高校3年生のとき、遠征先であるチェコで国外で練習したいと強く感じたのだと思います。遠征先のチェコから、欧州で練習を続けたいと電話がかかってきました。その後に送られてきた手紙にも、そのようなことが書かれていました。」

ー今でもそのお手紙、持っていらっしゃいますか?

父・邦彦さん「はい、持っています。練習に集中するためにも、スロバキアを練習の拠点に選びました。」

学校での進路相談。今思うと…。

ーでは、高校卒業後は迷わずスロバキアへ?

父・邦彦さん
「高校3年生のときの進路相談で、担任の先生が若い女性の先生だったのですが、「卓也くんは日本サイズではないですね」とおっしゃったんです。それで国内の大学に進むことは話にもならず、海外へいく話が進んでいったのですが、今思うとあれは卓也と先生の間ですでに話をつけていたんじゃないかと。(笑)本人の強い決意があったのだと思います。」

五輪への道。

父・邦彦さん「日本で一番になれば五輪に出場できると思われる方も多くいらっしゃると思いますが、実はそうではなく…。カヌースラロームで五輪に出場できるのは世界の中でも15ヶ国しかありません。世界選手権で上位10ヶ国が五輪に出場となります。なので、どんなに日本で一番をとったとしても、世界選手権で上位10ヶ国に入らなかったら五輪には出場できません。五輪出場は本当に苦労が多かったと思います。」

父としての思い

ー単身でスロバキアで練習される卓也選手ですが、心配にはなりませんか?

父・邦彦さん
「そうですね…、メールやスカイプで近況を知ることが出来ますが、2ヶ月ほど連絡がないと、「元気か?」と送ってしまいますね。でも、逆に目の前にいるほうが心配になりますし、気にかかってしまいます。遠くにいると、しっかりやっているだろうと思いますが、お正月などで卓也が帰ってくると、彼の行動が見える分気になりますね。」

ーご実家に居るときの卓也選手はどのように過ごしていますか?

父・邦彦さん
「力が抜けたように、ボーッとしていますよ。それから、ランニングしたり、甥っ子たちと遊んだり、リラックスしています。そういうのを見ると、充電しているんだな、と感じます。」

東京五輪に向けて

プレッシャーもあると思うけど…

ー今年は東京五輪がありますが…

父・邦彦さん
「そうですね。去年の国際大会での結果が満足行くものではなかったと思うので心配もあると思いますし、リオからのプレッシャーもあると思います。競技の特徴として、コースや天候に左右されまったく同じ条件ということはなくその時々で状態は全然違います。だから、その時のケースに合わせて瞬間で判断をするためにも、いろんなことを経験をすることが大事だと思うので、そういった部分で調整をしていってもらえたらと思います。」

卓也選手のすごいところ。

ー最後に、邦彦さんから見て、卓也選手の褒めてあげたいことは何ですか?

父・邦彦さん
「集中力でしょうか。ひとつのことに没頭するのは家系としてありますが、ここまで競技に集中して取り組めていることはすごいことだなと思います。もちろんん普段こんなことは本人に言いませんが…。」

ー辛抱強さと集中力が輝かしい戦歴を支えているのですね。インタビューにお答えいただきありがとうございました。

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